2019年10月インド視察/収穫前のヘナの畑をご案内します
年に何度もインドへ行き来しているグリーンノートですが、一年の中でも、この季節の視察は特に重要です。インドの激しい雨季がやっと終わり、栄養が凝縮されたヘナがようやく収穫される季節だからです。
この時のヘナの良し悪しが、品質の決め手となるのです。色鮮やかな現地の様子を、写真をまじえてご案内いたします。
ヘナの畑はデリーから、はるか500km
グリーンノートヘナに使用しているヘナを栽培しているヘナ畑はインドの首都デリーから南西に向かって約500kmの地点にあるラジャスタン州にあります。ラジャスタン州は広大な砂漠の中の乾燥地帯です。ラジャスタン州は日中から夜中にかけて気温が10℃近く下がるという一日の温度差が激しいところです。この温度差が品質の良いヘナを生み出し、ヘナの名産地として世界中に知れ渡っています。ヘナ畑のあるラジャスタン州までは、インドの首都デリーから飛行機で1時間半、さらに車で1時間半ほどかけて向かいます。
農場の近くまで行くと、信号も無くなりどこか懐かしい風景が並ぶ景色が見えてきました。
ヘナ畑の近くは、建物がまったくなく一面真っ平らな平野です。
舗装されていないデコボコ道をひたすらまっすぐ進みます。
湖と見間違える!?雨季の後の水たまり
途中、羊飼いと大きな湖を見つけました。
実はここは湖ではなく、すべて雨期に降った雨水が溜まってできた水たまりだそうです。
今の時期は羊たちの大事な水飲み場になっています。
ヘナ畑に到着すると、農家の方と農場を管理されている方たちが出迎えてくれました。
今回訪問したヘナ畑で栽培しているヘナはすべてオーガニック、無農薬で育てられたものだけです。
化学肥料はまったく使わずに、牛糞や牛尿などの堆肥だけで土壌を整え、栄養を与えています。
これが、最高品質のヘナの若葉です。
畑に青々と茂るヘナは、とても美しいです。乾いた大地にたくましく育っています。
6月からの長い雨季を終え、乾季となり、大地に育ったヘナもそろそろ収穫時期を迎えます。
この小さくてかわいい花がヘナの花です。花の直径は7mmくらいで小さいです。
ヘナの収穫は年に1回、10月頃に行い、収穫は根元を2~3cmを残して鎌を使って手摘みで行うそうです。収穫は男性も女性も行いますが、ヘナの茎は非常に硬く、刈り取るのは結構チカラがいるようです。
かなりの重労働なので機械を使って効率よく収穫できないかと尋ねたところ
「機械で収穫すると根元から刈り取れないので、一切機械は使わないで人の力だけで収穫する」とのことでした。
グリーンノートのヘナは、1本1本丁寧に手摘みで収穫されたヘナのみ使用しています。
雨水だけで育てる、グリーンノートヘナの原料
ヘナを栽培する際、水やりは基本行わず、すべて降水に頼っているそうです。雨期に降った以外に水やりは行っていないので、地面はカチコチに固まっています。
ヘナは基本的に乾燥に強く、雨水だけで育ったヘナの方が、断然、染色力もトリートメント力も高くなるそうです。水分を与えすぎると育ちすぎて、良い成分がすべて薄まってしまって品質が落ちてしまいます。
こんな固い大地に根を張り、たくましく育ったヘナの生命力はすごいものです。
農薬を使わず、鳥に虫を捕まえてもらう、自然ならではの農法
そもそもヘナはあまり虫が寄り付かない植物ですが、
害虫対策として、止まり木を設置し、鳥を誘いヘナについた虫を食べてもらうそうです。
止まり木に設置しているのは化学的な農薬を一切使わない虫取り罠です。
グリーンノートのヘナに使用されているヘナは、機械的な工程、化学的な肥料、農薬などをまったく使わず、インド・ソジャット州の気候、自然の恵みの雨だけでたくましく育っていました。
果てしなく広がるヘナ畑の中で、色彩りどりのサリー姿の女性たちが愛おしく、大地の恵みの恩恵を充分に受け育ったヘナを見つめている光景が今も忘れられません。